「構造編」

学校ビオトープを作る上で、この渋川小学校、学校ビオトープの場合

 池を中心としたビオトープということでなんといってもその池≠フ構造の話になると思う。計画時点でどんなタイプの池にするかをきめる。当該ビオトープの目的、アイデアの採用などからだいたいのの池の形が見えて来て、構造が読めるでしょう。

 計画時に採用したアイデアには、小川や瀬のせせらぎ(水の音) 木の橋、鳥や蝶・トンボの集まる樹や花の植栽などが有り、池の概要とも重なりますが、構造としては 「常時定水位・流水型・全日日射の陽池」の池ということで進めることになりました。
 
 溜め池タイプで減水時に限り、給水するとか、同じく水を浄化装置を通し循環させてやはり減水時に給水する方法、夏場の水温上昇時はどう対処するかで構造は変わってくるでしょう。

池 そのものの構造の話

既存の自然池ではなく、人工池であるわけであって平均して現状地盤より 1m近く掘り下げる訳ですから、そのまま水を張ると漏水が有り得ると考えられます。そこでやはり防水工事が必要になり、

渋川小学校学校ビオトープの場合

 @ 掘削。 床面、法面の成形。 大まかな凹凸を均します。
 A シート下地づくり。 シートが密着するようにそれぞれの面を滑らかにする。
 B 防水ゴムシート貼り。 破らないように細心の注意を払って裸足で作業。
 C ゴムシート覆土。 粘土質系の田んぼの土をシートの上に均等な厚みで覆う。   厚さ15〜20cm
 D池底仕上げ土。 さらに仕上げ土として田んぼの肥土を重ねる。厚さ15〜   20cm
 E 底石。 せせらぎ部分は石を並べる。小石も投入
 F 縁石。 法面の肩崩れの恐れのある部分は土留めに縁石を並べる。
 G 急斜面の処理。 深みへの法面には麻袋に土を入れ土嚢として法面を形成し   た。

  H 溜り部分では池底を階段状にする。2〜3段とし、深みに変化を付け、
   植栽の都合でポットを水中に沈めるときに、ポット底が安定する。
  I 間伐材の木杭。池廻りの土留めには90cm、45cmに作った木杭を並べて   打ち込んだ。


給水 
 隣接用水路から水中ポンプで揚水。途中バルブを経て
  二路に分け、二つのコンクリート枡240角の底から20cm程度の位置に導入。
  コンクリート枡の上部四辺の内一辺を5cmほど水平に掻き落とし、
  オーバーフローした水をせせらぎの瀬≠ノ流し込む構造にした。
  枡の中、底は泥溜めになり、上かさ水だけをを入れることが出来るようになって  いる。

 
排水  「常時定水位・流水型」で、いつも水は入水状態にあり
  排水は、排水口よりオーバーフローにて自然放流する。
  流れ落とした水は もとの用水路に戻り、あまり離れていない揚水ポンプ近くで
  水路の水と一体化し、再度ビオトープ池に廻り入るようになっている。

 

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工事期間平成15年 6月 〜 平成16年 2月 

渋川小学校ビオトープづくり実行委員会

平成16年(2004年)3月7日(一応の完成)

ビオトープづくり 4

植栽、デッキ、完成

護岸固め〜一応の完成へ。

アイディアの盛り込み  04.01.17 〜 .02.21

← 渓流の再現 石の配置で水の流れる音を聞く

04.01.24

急斜面 法面にネット貼り↓  

04.01.17

↑ 不足分の石を搬入、湖南アルプス山系の石である 

 小川の橋は枕木を使用 → 

 

04.01.31

←間伐材から木杭、観察机、椅子、デッキの材料を作る。

水の落ち口→

04.02.07

←観察デッキ(間伐材使用)

植物採取(葉山川)→

←植物の植え込み

04.02.14

化粧用に山砂を敷く ↓ 

植物の植え込み ↑

 

スポーツ少年団(野球)も 最後の作業参加。→

04.02.21

←看板の設置

通水をし、漏水や法の崩れをチェックする    →

間伐材の利用は、資材面で大いに助かった。観察デッキや木杭、椅子、机の材料に役立った。

【再生 復元型学校Biotope】

後は、完成イベントをまつばかりのところまで来た。

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 2月末、いろいろ有りましたが、一応の完成、竣工の運びとなりました。3月7日(日曜日)、地域の人々を主に完成お披露目会を些細ながら開き、ひとつの区切りとします。

 ある意味トープ=i場所)のハード面がこれで出来たわけで、ビオ=i生き物)というソフト面の「ビオトープづくり」がこれから始まります。

 学校ビオトープということで、もちろん子供たちが中心に活動していくわけですが、ここでは地域住民の参加を得て 取り組みしていく形を目指します。いわゆる「地域協働合校」がメインになって、地域の参加者がパイプ役になります。子供たち、教職員さん、公民館の職員さん達も 有る時期で変わられていきますが、地元賛同者の参画で観察、研究の継続が可能になってくるというものです。 継続したビオトープの活用と、活動が展開されていくことで、全国のネットワークへの加入など、渋川小学校ビオトープから何か発信できる情報などが 成果として現れてくるものになって欲しいと思います。

平成16年3月7日 完成イベント挙行!!

観察用の机・椅子も設置  ↑

 ↓  子供達による メダカの放流

04.03.07

完成イベント テープカット  ↑

          ↓  工事経過報告

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最終更新日 : 2016/12/10